症状

●母指から中指(第一指から第三指)にかけてが、痛みや痺れなどの症状を引き起こします。発症初期の頃は、第二指、第三指に、症状がでますが、進行すると、第一指、第二指、第三指の半分が、しびれます。

●指先の症状は、夜間や早朝に強い傾向があります。

●日中は、特定の動作(編み物、自転車に乗る、バスや電車のつり革につかまる等)で、症状が強くなる傾向があります。

●指の感覚が鈍くなってくると、物をつまむ等の細かい作業や、動作がしづらくなります。

●第一指の付け根の筋肉が、脆弱化し、猿手と呼ばれるような、変形がおこってきます。

 

病態

 

●「妊娠出産の時期、閉経の時期を迎えた女性(女性ホルモンの分泌の乱れが多い時期)に多く、男女比は 1:9と女性が多数を占めます。

●「手根管の、滑膜が増殖したり、手根管が狭くなることによって、手関節にある神経(正中神経)が、圧迫されたり、引きつられたりして、痛みやしびれの症状が出現します。

●両側の手に発症したり、ばね指などの腱鞘炎を合併することもあります。

 

検査

●手関節や、指の動き等で、症状の有無などを調べます。レントゲンや、神経症状の有無を調べます。

●エコー検査や MRIの検査を行う場合もあります。

治療

●ビタミン剤などの薬物療法、腱鞘炎に効果のある注射療法などを行います。

●必要に応じ装具などを使用したり、ギプスシーネを利用し、患部の安静を保つこともあります。

●保存的な治療で、症状が持続する場合や、第一指の付け根の筋肉(母指球筋)の萎縮が進んだ症例は、手術の適応となります。

●早期に治療を開始すると、経過が良好な事が多いとされます。