症状

  • 上肢の痺れや、痛み、熱感、脱力感、握力低下、手指の運動麻痺など。
  • 鎖骨にある静脈部分に圧迫を加えると、手指や腕が蒼白になります。

原因と病態

 

  • 胸郭出口部分の先天性狭窄や筋肉や腱の付着している部分の異常、第7頚椎の肋横突起の過剰肋骨(頚肋)による、圧迫、外傷やスポーツによる反復的な刺激、肋骨や鎖骨の変形による刺激、重量物の運搬による、肩甲骨への負担、大胸筋肥厚による刺激など、様々な原因によります。
  • 頚部や、肩、上肢で神経叢(第5~8頚神経と第1胸神経からでている、神経が束になった部分)鎖骨下静脈と友に、圧迫を受け、神経血管障害をきたす。
  • 首の長い人やなで肩の女性に多く、男女比は 1:3とされます。

胸郭出口症候群の原因と分類

 斜角筋症候群
  斜角筋の異常収縮によって、拘扼を受ける。若い女性に多い
  肋鎖症候群
  鎖骨と第1肋骨間で圧迫を受け、腕神経叢麻痺(リュックサック麻痺)
過外転症候群
腕の過外転(腕を外に回す)によって、小胸筋の圧迫を受ける。
  頚肋症候群
  第7頚椎の肋横突起の過剰肋骨による圧迫をうける。

診断

 

  • 誘発テストを行い、症状の確認を行います。
  • レントゲン検査では、頚椎や胸郭の骨格異常の有無や変形、肥厚を確認します。

治療

  • 保存療法では、鎮痛剤の投与、日常生活動作の指導(症状を悪化させる動作の回避)を行います。
  • 重症例では、手術療法も検討されます。
  • 保存的な治療により多くの症例が改善していきます。