症状

  • 腫瘍部位の痛みや腫れが主な症状です。 特に運動時に 痛みが強くなる事が多いですが、進行すると 安静にしていても痛みを生じます。
  • 骨の組織が弱くなり、※病的骨折 につながることがあります。
  • 脊髄に発生した場合は、腫瘍が脊髄神経を圧迫し、手足の痺れや麻痺を伴う場合があります。

※病的骨折 骨自体に正常な強度がなくなり、病的な状態にある為に、通常であれば骨折しないような、軽い衝撃や外力により、容易に骨折してしまう状態です。

原因と病態

  • 原因不明のものが多いとされますが、ユーイング肉腫などの、いくつかの腫瘍では、特定の遺伝子の異常が発生に関係していると判明しています。
  • 骨組織に発生する腫瘍で、増殖 再発をしやすく、他の臓器や組織に転移する危険性の高い悪性の腫瘍です。無治療であれば 生命に危険を及ぼします。
  • 細胞分裂を行う際に、遺伝子の複製に異常が生じ、制御の利かない異常な細胞が発生し、増殖します。
  • 骨自体から腫瘍が発生する、原発性悪性骨腫瘍と、他の部位の腫瘍が骨に転移した、続発性悪性骨腫瘍(転移性骨腫瘍)があります。
  • 原発性骨腫瘍の発生頻度は、100万人のうち 4人と推定され、稀な疾患です。

主な悪性骨腫瘍の種類

 種類 特徴
   原発性 骨肉腫  腫瘍細胞自体が骨や類骨を形成。大腿骨、脛骨、上腕骨に多発
 軟骨肉腫  腫瘍細胞自体が軟骨を形成。骨肉腫に次いで多い。大腿骨、上腕骨、骨盤に多発
 ユーイング肉腫  腫瘍が骨を破壊しながら増殖。進行が早く悪性度が高い。特定の遺伝子が関連。
 骨悪性繊維性組織球腫  多形の細胞からなる、未分化な悪性骨腫瘍。
 脊索腫  仙骨に発生する。増殖スピードが遅い
 続発性  転移性骨腫瘍  身体の他の臓器や組織から発生した がんが骨に転移したもの。肺がん 前立腺がん、乳がん 腎臓がんなど骨に転移しやすい

診断

  • レントゲン検査
  • CT MRI検査
  • 骨シンチグラフィー
  • 血液検査 病理検査などで 確定診断を行います。

治療

  • 手術療法による腫瘍の切除が中心となります。
  • 状態に応じて 放射線療法、化学療法などを行います。
  • とくに 転移のある場合、悪性度の高い場合は、手術療法と化学療法の併用が有用です。

手術療法

  • 腫瘍部位の完全切除 および 切除部位の再建、機能回復のための手術を行います。
  • 悪性骨腫瘍は、再発および、転移の危険性が高いため、完全切除のために、広範切除を行います。(日本整形外科学会による、悪性骨軟部腫瘍切除基準に基づく)
  • 切除により欠損した骨や関節は、人工関節や 骨移植(人工骨も含む)などによる再建 機能回復をはかります。
  • 悪性度や進行度などを考慮し、場合によっては、四肢の切断を行います。

化学療法

  • 骨肉腫やユーイング肉腫などの悪性度の高い腫瘍の場合は、原発巣の縮小を目的とした化学療法として、また、転移巣の撲滅、転移の抑制などを目的とした、全身療法として有用とされます。
  • 手術の前後に抗がん剤を用いた 化学療法を併用することがあります。

放射線療法

  • 脊椎や骨盤など、手術による切除が不能な場合、また腫瘍の発生部位や大きさにより、手術前後の補助が必要な場合に、放射線療法を選択します。
  • 一般的には、身体の外から、放射線を照射する 外部照射が行われます。
  • 腫瘍の切除部位に設置した、多数の細いチューブを通して照射する、小線源療法や、切除した骨に放射線を照射して、体内に戻す治療も効果をあげています。