26年2月9日スポーツドクター研修会

公認スポーツドクター研修会に参加してきました。

赤間先生の講演では、ドーピングはスポーツの価値を大きく損なう! ので意図的にやってはいけない事。2011、2012、2013年の違反例を検討すると、①知識不足による違反例があること。②治療目的ではない(意図的?)使用が目立つ事。③同じ年度内に複数の違反例をだす競技がある事。等の傾向があり、その対策は①に対してはアスリート、医師、薬剤師に対する情報提供を行う。ネット購入の危険性が高いので、内服前にしっかりと確認していただくこと。②に対しては、ジュニア世代からのアンチ・ドーピング教育の必要性があること、③に対しては競技特性や競技重点的なアンチ・ドーピング活動が必要である、とのことでした。

中田先生の講演からは、部活動をしている中高生は約300万人で部活動時の負傷は約30万件。部活動中のスポーツ外傷の発生率は約10%(1年間で10人に1人受傷していることになる!)。受傷頻度に学年差はあまりないものの中学2年生に多い傾向があり、新学期の始め(4月、5月)の発生頻度が多く要注意!!とのこと。重症頭頚部外傷は、ラグビー、柔道での対策が課題で、膝の前十字靭帯損傷は男子高校生ではラガー、柔道選手に多く、女子は高校女子に発生数が増えており、膝靭帯損傷予防に対する介入が急務であること、足関節捻挫に関しては、中学2年生の女子の発生数が多く、中学女子全体でも1年間で20人に1人の部員が足関節捻挫を起こしており、介入が急務であるとの等のデータが示されました。

 

高杉先生からは、加齢による筋肉減少症であるサルコペニアに対する講演がありました。

サルコペニアに対する有効な運動は、漸増負荷筋力強化運動が最も有効で、予防のためには軽い運動や中等度の運動強度でも十分な効果があること事でした。(これは、”ややきつい”と感じる程度の筋力強化運動の継続的実践が有効とのことです。)

また、サルコペニアに有効な薬剤はビタミンDの補充療法が転倒リスクを低減させ、歩行速度や運動機能の改善が認められているとの報告があるそうです。

明日からの診療にいかしていきたいと思います。